ニーレウス
ニーレウス(古希: Νιρεύς, Nīreus)は、ギリシア神話の人物。長母音を省略してニレウスとも表記される。主に、
- カナケーの子
- カロポスの子
が知られている。以下に説明する。
カナケーの子
このニーレウスは、アイオロスの娘カナケーと海神ポセイドーンの子で、ホプレウス、エポーペウス、アローエウス、トリオプスと兄弟[1]。
カロポスの子
このニーレウスは、シューメー島の王カロポスとニュムペーのアグライエーの子である[2]。ヘレネーの求婚者の1人で[3]、トロイア戦争におけるギリシア軍の武将の1人。
ニーレウスはシューメー島の軍勢3隻[4][5][6]、あるいは16隻[7]、53隻を率いてトロイア戦争に参加した[8]。出兵した武将の中ではアキレウス以外で一番の美男子だったが、武勇の点では他の武将に劣っていた[4]。ギリシア軍がミューシアに上陸し、トロイアと勘違いしてテーレポス王と戦ったとき、ニーレウスはテーレポスの美しい妻ヒエラーを討ったが[9]、トロイア戦争ではテーレポスの子エウリュピュロスに討たれた[10][11]。一説によるとアイネイアースに討たれた[12]。
脚注
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- 『ディクテュスとダーレスのトロイア戦争物語 トロイア叢書1』岡三郎訳、国文社(2001年)
- クイントゥス『ギリシア戦記』松田治訳、講談社学術文庫(2000年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
- ピロストラトス『英雄が語るトロイア戦争』内田次信訳、平凡社ライブラリー(2008年)
- ホメロス『イリアス(上)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年)