グーネウス
グーネウス(古希: Γουνεύς, Gūneus)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してグネウスとも表記される。主に、
- ラーオノメーの父
- オーキュトスの子
の2名が知られている。以下に説明する。
ラーオノメーの父
このグーネウスは、アルカディアー地方の都市ペネオスの人である[1]。娘ラーオノメーの父。一説にラーオノメーはペルセウスの子のアルカイオスの妻で、アムピトリュオーン[1][2]、アナクソーの母であるという[2]。
オーキュトスの子
このグーネウスは、オーキュトスの子である[3]。キュポスの王で、トロイア戦争のときギリシア軍の武将としてドードーナ近くのアイニアーニアー人、ペライボイ人の軍勢22隻を率いて参加した[4][5]。グーネウスの軍勢は21隻とも[6]、12隻ともいわれる[7]。戦後、グーネウスは帰国のときにナウプリオスの松明にだまされ、カペーレウス沖で難破してリビアに漂着し[8]、キーニュプス河畔に移住した[9]。しかしグーネウスはパトロクロス死後の戦闘で戦死したともいわれる[10]。
脚注
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- 『ギリシア悲劇全集9 エウリーピデースV』「アウリスのイーピゲネイア」高橋通男訳、岩波書店(1992年)
- 『ディクテュスとダーレスのトロイア戦争物語 トロイア叢書1』岡三郎訳、国文社(2001年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
- ホメロス『イリアス(上)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年)