陣ケ下渓谷

陣ケ下渓谷公園
陣ケ下渓谷 地図
陣ケ下渓谷の位置(神奈川県内)
陣ケ下渓谷
分類 都市公園(風致公園)
所在地
座標 北緯35度28分09秒 東経139度33分58秒 / 北緯35.46917度 東経139.56611度 / 35.46917; 139.56611座標: 北緯35度28分09秒 東経139度33分58秒 / 北緯35.46917度 東経139.56611度 / 35.46917; 139.56611
面積 34,387 平方メートル [1]
運営者 横浜市
告示 1992年平成4年)7月24日
公式サイト 陣ケ下渓谷公園(横浜市保土ケ谷区役所)
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陣ケ下渓谷(じんがしたけいこく)は、横浜で唯一「渓谷」と呼ばれている谷戸[2]帷子川の支流にあたる市沢川の渓谷。

地理

鎌倉時代源頼朝御家人である和田義盛の陣を張ったのでこの名が付けられたとされる[3]。環状2号線が通るのに伴い、都市公園風致公園)として整備された。2004年(平成16年)4月、陣ケ下渓谷公園として公開された[4]

横浜市水道局西谷浄水場の周囲に広がる保土ケ谷区の住宅街の中にあり、西側の台地上には県営西原住宅団地や公団くぬぎ台団地等の大規模住宅地が密着し、下流に当たる北側には相鉄本線相模鉄道)、国道16号、帷子川本流が東西に走っている[5]。林のなかではいたるところで湧き水がわき、横浜という都市部にもかかわらず、ある程度きれいな流れを保っている。ただし、前述のとおり上流は住宅地であるために生活排水もまぎれており、冬場など湧き水の少ない時期では泡がたつこともある。

明確な源頭といいうる地点は知られておらず、周辺の民有地や住宅地からの雨水、横浜市水道局西谷浄水場から出る雨水等の濾過水、保土ケ谷高校遊水池からの流入水などを水源としており、周辺が住宅地や環状2号線として開発される以前は地下水からの湧出を水源としていたと考えられている[6]

陣ヶ下高架橋

陣ヶ下高架橋[7]
基本情報
日本の旗 日本
所在地 横浜市
交差物件 帷子川水系二級水系
設計者
施工者
向山辰夫・篠原修杉山和雄大野美代子・伊東靖
建設 横浜市道路建設事業団
構造諸元
形式 PC中空床版連続ラーメン橋
全長 164.0m / 206.0m / 215.0m / 237.3m
最大支間長 29.0m
関連項目
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式
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環状2号線の高架道路を陣ケ下渓谷の上を通すために建設された高架橋。形式はPC中空床版連続ラーメン橋[8]。建設にあたっては、渓谷の森を損ねないために上下線を分離して森の中への日照を確保し、基礎も深礎基礎とした。その結果、上下線の間の空間から、森にもともと生えていた木が地上からそのまま伸びて姿をあらわしている。円柱の橋脚は船底曲線断面の桁と接合され、土木学会デザイン賞2003の受賞時の講評では「優美なコンクリートの造形…柱の造形は巨大な茸を思わせ、森の自然との違和感が」[9]なく、風致公園の構成要素となっていることが評価された。2001年(平成13年)度に土木学会田中賞[8]、土木学会デザイン賞2003年度最優秀賞[9]を受賞。

なお、高架下は陣ケ下渓谷ひろば公園として整備されている(陣ケ下渓谷公園の北東側に位置する)[10]

ギャラリー

  • 陣ケ下渓谷(右上の橋脚は環状2号)
    陣ケ下渓谷(右上の橋脚は環状2号)
  • 陣ケ下隧道[7]より(左側が渓谷)
    陣ケ下隧道[7]より(左側が渓谷)
ウィキメディア・コモンズには、陣ケ下渓谷に関連するカテゴリがあります。

周辺

見どころ

神社仏閣

  • 川島杉山神社 - 川島町の鎮守。渓谷の北東側高台に鎮座。
  • 妻恋稲荷 - 川島杉山神社より南西方約100mの所に鎮座。
  • 上星川杉山神社 - 上星川の鎮守。
  • 富士山神社 - 西谷町の鎮守で、上星川杉山神社より分社。境内に西谷富士と呼ばれる富士塚がある。
  • 正観寺観音堂 - 旧小机領33観音霊場第5番札所。
  • 随流院 - 旧小机領33観音霊場第6番札所。
  • 妙福寺
  • 東光寺

交通

  • 上流側
    • 相模鉄道和田町駅から相模鉄道バス「浄水場裏」下車徒歩10分。
    • 相模鉄道バス「西原住宅入口」下車徒歩5分
    • 駐車場20台1時間100円(陣ケ下渓谷公園)
  • 下流側

脚注

  1. ^ a b 以下、本表内の記載は次の情報源による。“横浜市 都市公園一覧表 (平成26年3月31日現在)(保土ケ谷区)” (Microsoft Excel). 横浜市. 2014年8月6日閲覧。
  2. ^ 他にも栄区洗井沢瀬上沢など、渓谷的な地形はある。
  3. ^ “「陣ケ下渓谷公園」までのご案内”. 横浜市. 2014年8月6日閲覧。
  4. ^ “横浜市 都市公園一覧表 (平成26年3月31日現在)(保土ケ谷区)” (Microsoft Excel). 横浜市. 2014年8月6日閲覧。
  5. ^ “陣ケ下渓谷公園”. 横浜市. 2014年8月6日閲覧。
  6. ^ “陣ケ下渓谷の源流はどこ?”. はまれぽ.com (2012年7月13日). 2015年10月14日閲覧。
  7. ^ a b 横浜市行政地図情報提供システム 道路台帳認定路線図
  8. ^ a b “田中賞作品部門受賞一覧(平成13年度)”. 土木学会. 2014年8月6日閲覧。
  9. ^ a b “最優秀賞 : 陣ヶ下高架橋”. 土木学会デザイン賞2003. 土木学会. 2014年8月6日閲覧。
  10. ^ 駅からさんぽ 2015 spring vol.28 (相模鉄道)

関連項目

土木学会デザイン賞
2001
最優秀賞
優秀賞
2002
最優秀賞
優秀賞
2003
最優秀賞
優秀賞
特別賞
2004
最優秀賞
優秀賞
2005
最優秀賞
特別賞
2006
最優秀賞
優秀賞
2007
最優秀賞
優秀賞
2008
最優秀賞
優秀賞
奨励賞
選考委員会
特別賞
2009
最優秀賞
優秀賞
奨励賞
  • 地獄平砂防えん堤
2010
最優秀賞
優秀賞
奨励賞
  • 由布院・湯の坪街道・潤いのある町並みの再生
  • 板櫃川 水辺の楽校
  • 景観に配慮したアルミニウム合金製橋梁用ビーム型防護柵アスレール
特別賞
2011
優秀賞
奨励賞
  • 白水川床固群
  • YKKセンターパーク及び周辺整備
2012
最優秀賞
優秀賞
  • 新四万十川橋
  • 各務原市 瞑想の森
奨励賞
  • 札幌みんなのサイクル ポロクル
2013
最優秀賞
優秀賞
  • 札幌都心における個性的なストリート文化の創造〜創成川通・札幌駅前通
  • 川内川激甚災害対策特別緊急事業(虎居地区及び推込分水路・曽木の滝分水路)
  • 長崎港松が枝国際観光船埠頭
奨励賞
2014
最優秀賞
優秀賞
奨励賞
2015
最優秀賞
優秀賞
奨励賞
2016
最優秀賞
  • 太田川大橋
  • 白糸ノ滝 滝つぼ周辺環境整備
  • 天神川水門
  • 上西郷川 里川の再生
優秀賞
奨励賞
2017
最優秀賞
優秀賞
奨励賞
2018
最優秀賞
優秀賞
奨励賞
2019
最優秀賞
  • 津和野川・名賀川河川災害復旧助成事業名賀川工区
  • 女川駅前シンボル空間 / 女川町震災復興事業
  • 花園町通り
優秀賞
奨励賞
2020
最優秀賞
優秀賞
  • 勘六橋
  • 京都市 四条通歩道拡幅事業 / 歩いて楽しいまちなか戦略事業
  • の再生と土木遺産の再現 八の字堰
  • 虎渓用水広場
奨励賞
2021
最優秀賞
優秀賞
奨励賞
  • さくらみらい橋
  • 水木しげるロードリニューアル事業
  • 線路敷ボードウォーク広場
  • 松原市民松原図書館
2022
最優秀賞
  • 川原川・川原川公園
  • 白川河川激甚災害対策特別緊急事業(龍神橋〜小磧橋区間)
  • アクリエひめじ及びキャスティ21公園
優秀賞
  • 熊本城特別見学通路
  • 利賀大橋
  • 星野川災害復旧助成事業 宮ケ原工区
  • 宇治川塔の島地区石積護岸と周辺施設群
  • 気仙沼内湾ウォーターフロント
  • 吉里吉里地区復興まちづくり
  • 﨑津・今富の文化的景観整備
奨励賞
  • 遠賀川多自然魚道公園
  • 横瀬川ダム
  • 敦賀駅交流施設「オルパーク」 / 駅前広場
  • やまだばし思い出テラス
  • 中瀬草原キャンプ場
  • 福岡市立平尾霊園合葬式墓所 山の合葬式墓所 / 山の広場
  • 柳川市民文化会館周辺の掘割景観デザイン
2023
最優秀賞
  • さいき城山桜ホール・大手前地区
  • 花畑広場(くまもと街なか広場 / 花畑公園 / 辛島公園
  • 石巻市街地における旧北上川の復興かわまちづくり
優秀賞
奨励賞
  • 竹芝デッキ 港歩行者専用道第8号線
  • 長久手市公園西駅1号公園
  • たのしむカワベ —広瀬川河畔緑地整備事業「文学館エリア」—