㹨川(いたち川) |
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2017年(平成29年)撮影 |
水系 | 二級水系 境川 |
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延長 | 7.18 km |
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平均流量 | -- m3/s |
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流域面積 | 13.88 km2 |
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水源 | 横浜市栄区 |
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水源の標高 | -- m |
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河口・合流先 | 柏尾川(横浜市) |
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流域 | 神奈川県横浜市栄区 |
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㹨川(いたちがわ)は、神奈川県横浜市栄区を流れる二級河川である。鼬川と表記されることがある(後述)。
概要・地理
鎌倉市境に近い荒井沢を水源とする洗井沢川、港南区境に近い瀬上池周辺(瀬上市民の森)を水源とする瀬上沢、金沢区境に近い上郷町付近を水源とする㹨川が、栄区役所付近で合流する。西へ流れ、JR東海道・横須賀線と根岸線の路線が分岐する付近、笠間町と飯島町の境界で柏尾川に合流する。瀬上沢と洗井沢川は小川で、総称して㹨川と呼ばれることもある。一部の地図には㹨川沿いに稲荷川と表記されているが、稲荷川(矢沢堀)は桂台住宅地付近の遊水池から流れる小川の名称である。
川の中には動物のイタチの置物がある場所もあるが、名の由来は鎌倉街道の出立点としての「いでたち」の転とされている[1]。
歴史
流域には、縄文時代から人類が住み、公田ジョウロ塚遺跡などの遺跡がある。古墳時代から奈良時代初めごろには横穴墓群が多く掘られ、約20群200基以上にのぼる㹨川流域横穴墓群が存在した[2]。上流の瀬上沢では上郷深田遺跡で製鉄が行われた[3]。
鎌倉時代には霊所と考えられており、『吾妻鏡』に度々「㹨河」でお祓いをしたと記述されている[4]。また小菅ヶ谷付近には宿場があり、『徒然草』で知られる卜部兼好もこの付近に旅で来たらしく、『兼好家集』の中で「相模国いたち河という所にて、此の所の名を句の上にすえて旅の心を」と題して
- いかにして、たちにし日より、ちりのきて、風(かぜ)だに閨(ねや)を、はらわざるらん
という和歌を詠んでいる[5]。
1960年代(昭和35年~)までは緩やかに蛇行し周辺に湿地の残る河川であったが、周辺の市街地化により水害が頻発するようになったため1970年(昭和45年)より河川整備が行われ、下流部から中流部において3面張り護岸の整備と支流の小河川の暗渠化が行われたが、これは河川改修による水位の低下や自然植生の消滅によって水質の悪化を招いた。
これを改善するため1982年(昭和57年)以降は水辺の自然復元工事として3面張り河川内に河原を再現する事業が行われ、あわせて親水公園や河川沿いの遊歩道などの整備も行われた。これは都市部における多自然型河川の整備(多自然川づくり)の草分けとして土木誌等にしばしば取り上げられている[6]。
また、その後河川整備が開始された上流部は1987年(昭和62年)には「ふるさとの川整備モデル河川」に指定され多自然型護岸などを用いるなど、周辺環境との調和に配慮した整備が行われている。
2011年(平成23年)にはこれらの取り組みが評価され、土木学会デザイン賞を受賞している[7]。また、国土交通省手づくり郷土賞を、「大いたち橋・小いたち橋といたち川プロムナード」で、平成7年度(コミュニティー部門)を、平成10年度には「いたち川・稲荷森の水辺」で、受賞。
2014年(平成26年)から首都圏中央連絡自動車道建設[8]のため河川沿いでは工事が進められている。
名称の表記
㹨川のいたちは、「けものへん」に「由」(㹨)である。㹨川周辺の橋や看板、一部の地図などで確認することができる。多くの辞書に掲載されていない字[9]ではあるが、この川の名前が鎌倉時代の『吾妻鑑』にこの字で書かれていたことから、使い続けていると言われる。そういった難読字であることから、もっぱら平仮名でいたち川と表記される。
なお鼬の字がパソコン上で簡単に打ち出せることから、ブログなどでは鼬川と表記されることもある。本来の字は康熙字典や大漢和辞典に載るが、JIS X 0208(JIS第一水準・第二水準)では定義されていないため、標準的な日本語フォントには含まれておらず、多くのコンピューターでは打ち出すことができない文字である。なお、JIS X 0213では第四水準の2面80区34点に、UnicodeではU+3E68に定義されている。
生物
㹨川は自然に恵まれており、カワセミや鯉がよく見られる。
マスコットキャラクター
タッチーくんは、㹨川のマスコットキャラクターであり2005年(平成17年)1月に応募によりこの名前に決まった[10]。主に横浜市栄区内のイベント等で活動している。また、2018年(平成30年)11月から同区内の栄スポーツセンターでオリジナルグッズの販売が行われている[11]。
脚注
[脚注の使い方]
- ^ 横浜市:さかえの歴史:いざ鎌倉の道
- ^ 埋蔵文化財センター(横浜市)『埋文よこはま31』(2015年)1-3ページ
- ^ 栄の歴史編集委員会『栄の歴史』(2013年)22-23ページ
- ^ 『日本歴史地名大系』第14巻「神奈川県の地名」平凡社 1984年 196頁
- ^ 栄の歴史編集委員会(2013年)30ページ
- ^ 例:日経コンストラクション 2001/11/23号
- ^ デザイン賞2011選考結果 土木学会
- ^ 国土交通省 関東地方整備局-首都圏中央連絡自動車道「釜利谷JCT~戸塚IC(仮称)」及び「栄IC・JCT(仮称)~藤沢IC」の 事業認定申請
- ^ 康煕字典は海篇を典拠に「音右」とするが、義未詳である
- ^ “プロフィール”. www.city.yokohama.lg.jp. 2020年3月30日閲覧。
- ^ “タッチーくんのオリジナルグッズ販売中!”. www.city.yokohama.lg.jp. 2020年3月30日閲覧。
参考文献
- 『日本歴史地名大系』第14巻「神奈川県の地名」平凡社 1984年(昭和59年)196頁
- 笹原宏之『日本の漢字』岩波書店 2006年(平成18年)1月 68頁
- 埋蔵文化財センター(横浜市)『埋文よこはま31号(㹨川流域の横穴墓群)』2015年(平成27年)3月20日発行
- 栄の歴史編集委員会『栄の歴史』栄区地域振興課 2013年(平成25年)3月
外部リンク
- いたち川 - 横浜市栄区
- いたちかわらばん - 横浜市栄区
座標: 北緯35度21分54.6秒 東経139度33分08.1秒 / 北緯35.365167度 東経139.552250度 / 35.365167; 139.552250
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2010 | 最優秀賞 | |
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優秀賞 | |
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奨励賞 | - 由布院・湯の坪街道・潤いのある町並みの再生
- 板櫃川 水辺の楽校
- 景観に配慮したアルミニウム合金製橋梁用ビーム型防護柵アスレール
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2013 | 最優秀賞 | |
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優秀賞 | - 札幌都心における個性的なストリート文化の創造〜創成川通・札幌駅前通〜
- 川内川激甚災害対策特別緊急事業(虎居地区及び推込分水路・曽木の滝分水路)
- 長崎港松が枝国際観光船埠頭
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奨励賞 | |
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2016 | 最優秀賞 | - 太田川大橋
- 白糸ノ滝 滝つぼ周辺環境整備
- 天神川水門
- 上西郷川 里川の再生
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優秀賞 | |
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2019 | 最優秀賞 | - 津和野川・名賀川河川災害復旧助成事業名賀川工区
- 女川駅前シンボル空間 / 女川町震災復興事業
- 花園町通り
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優秀賞 | |
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奨励賞 | |
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2020 | 最優秀賞 | - 山国川床上浸水対策特別緊急事業
- 東京駅丸の内駅前広場及び行幸通り整備(東京駅丸の内駅舎から皇居に至る一体的な都市空間整備)
- 東部丘陵線—Linimo—
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優秀賞 | - 勘六橋
- 京都市 四条通歩道拡幅事業 / 歩いて楽しいまちなか戦略事業
- 瀬の再生と土木遺産の再現 八の字堰
- 虎渓用水広場
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奨励賞 | - 大分 昭和通り・交差点四隅広場
- 百間川分流部改築事業
- 高山駅前広場及び自由通路
- 奈義町多世代交流広場 ナギテラス
- 浅野川四橋の景観照明
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2021 | 最優秀賞 | |
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優秀賞 | |
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奨励賞 | - さくらみらい橋
- 水木しげるロードリニューアル事業
- 線路敷ボードウォーク広場
- 松原市民松原図書館
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2022 | 最優秀賞 | - 川原川・川原川公園
- 白川河川激甚災害対策特別緊急事業(龍神橋〜小磧橋区間)
- アクリエひめじ及びキャスティ21公園
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優秀賞 | - 熊本城特別見学通路
- 利賀大橋
- 星野川災害復旧助成事業 宮ケ原工区
- 宇治川塔の島地区石積護岸と周辺施設群
- 気仙沼内湾ウォーターフロント
- 吉里吉里地区復興まちづくり
- 﨑津・今富の文化的景観整備
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奨励賞 | - 遠賀川多自然魚道公園
- 横瀬川ダム
- 敦賀駅交流施設「オルパーク」 / 駅前広場
- やまだばし思い出テラス
- 中瀬草原キャンプ場
- 福岡市立平尾霊園合葬式墓所 山の合葬式墓所 / 山の広場
- 柳川市民文化会館周辺の掘割景観デザイン
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2023 | 最優秀賞 | - さいき城山桜ホール・大手前地区
- 花畑広場(くまもと街なか広場 / 花畑公園 / 辛島公園)
- 石巻市街地における旧北上川の復興かわまちづくり
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優秀賞 | |
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奨励賞 | - 竹芝デッキ 港歩行者専用道第8号線
- 長久手市公園西駅1号公園
- たのしむカワベ —広瀬川河畔緑地整備事業「文学館エリア」—
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