市原えつこ

曖昧さ回避 市原悦子」とは別人です。
いちはら えつこ
市原 えつこ
市原 えつこ
市原えつこ2019年4月『BRAND DESIGN CONTET』イベント会場にて撮影)
生年月日 1988年
出生地 日本の旗 愛知県春日井市
血液型 AB型
職業 メディアアーティスト
妄想インベンター
妄想監督
ジャンル メディアアート
ロボット
事務所 フリーランス(クリエーター事務所「QREATOR AGENT」所属)
公式サイト http://etsuko-ichihara.com
主な作品
『セクハラ・インターフェース』
『妄想と現実を代替するシステム SRxSI』
『デジタルシャーマン・プロジェクト』
備考
2025年大阪・関西万博日本館の基本構想策定クリエイター
第20回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門・優秀賞(文部科学大臣賞)
アルスエレクトロニカ Interactive Art+部門 Honorary Mention・栄誉賞
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Etsuko Ichihara / 市原えつこ
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チャンネル
  • Etsuko Ichihara / 市原えつこ
活動期間 2008年10月26日 -
登録者数 378人
総再生回数 410,611 回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2023年9月26日時点。
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市原 えつこ(いちはら えつこ、1988年 - )は、日本メディアアーティスト妄想インベンター。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。2018年、アルスエレクトロニカInteractive Art+部門でHonorary Mention(栄誉賞)を受賞。2025年大阪・関西万博日本館の基本構想策定クリエイター早稲田大学文化構想学部卒業、愛知県春日井市出身、血液型AB型。2016年にYahoo!JAPANを退社し独立、現在フリーランス。クリエーター事務所「QREATOR AGENT」所属。

2023年4月から東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻に入学。

経歴

1988年生まれ、愛知県春日井市出身。メディアアーティスト妄想インベンター妄想監督[1][2]

早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。大学在籍時に秘宝館をはじめとした日本の性文化に興味を持ち、作品制作を開始[3][4]

卒業制作だった「セクハラ・インターフェース」が何かの拍子に突然バズったのを皮切りに、個人宛のオファーが来るようになる。Yahoo!JAPANにUI/UXデザイナーとして入社後も、会社の仕事と個人の仕事を両立[4][5]

2015年に自身の祖母の死をきっかけに制作した「デジタルシャーマン・プロジェクト」が、2017年に第20回文化庁メディア芸術祭・優秀賞を受賞。市原は祖母の葬式で遺体が火葬され、骨だけになった姿を親族が見て泣くという弔いのプロセスから「人間にとって必要なものだ」と痛感し、当時働いていたYahoo! JAPANの仕事で関わっていた人型ロボットPepperを使い、新しい弔いの形がつくれないかと考えた[6][7][8]

2018年にアルス・エレクトロニカ賞で栄誉賞を受賞[3][4][9]

2020年、2025年大阪・関西万博日本館の基本構想策定クリエイターの一員を拝命する[10]

2022年、森美術館開催の現代アート展「六本木クロッシング2022」で、新作「未来SUSHI」を発表。現代美術分野では初参加。学生時代に衝撃を受けたアート展で美術の分野に興味を持つきっかけになった展覧会だった[11][12]

主な作品に、大根が艶かしく喘ぐデバイス《セクハラ・インターフェース》、虚構の美女と触れ合えるシステム《妄想と現実を代替するシステム SRxSI》、家庭用ロボットに死者の痕跡を宿らせて49日間共生できる《デジタルシャーマン・プロジェクト》がある[3][4]

現在、日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性から、「NHK WORKD」や「月曜から夜ふかし」など、国内の新聞・テレビ・Web 媒体、海外雑誌等、多様なメディアに取り上げられている[3][4]

人物

  • 女優市原悦子とは無関係である。
  • 高校生のときに「アートでは食べていけない」と考えて、美大に合格したものの一般大学に進学。大学では人とのコミュニケーション術を養い、IT会社では納期との戦い方を学んだ。アーティストとしての資金調達や収入にも役立ち、自然と「美大に行かなかった私はクリエーターにはなれない」と思い込んでいたコンプレックスが消えていた[13]
  • 独立するキッカケは、たまたま見てもらった占い師に「早く会社をやめるべき。そうでないと足を骨折する」と言われ、その1ヶ月後に本当に会社で足を折ってしまったので、これは従うしかないなあと決意[13]
  • 早稲田大学文化構想学部の第一期生[14]
  • 作品制作の際は、企画、ディレクション、UX設計(※ユーザーがサービスを使用する際の体験の設計)を担当。実装やプログラミングは別の方にお願いすることが多い[14]
  • 巫女装束がトレードマーク。
  • 大学院には3回受験して3回合格した経歴を持つ。会社員時代の2014年は合格するものの「やっぱり大学院に通うのは今じゃない」と思い直して見送る。2022年に東京藝術大学の別学部で合格するものの「今後の方向性を考えたとき自分の学びたい分野と違うかも」と気付き、翌年に先端芸術表現専攻を受け直した[15]

略歴

受賞歴

主な代表作品

  • 『セクハラ・インターフェース』 (2012年)[4][21]  ※ https://youtube.com/GElYzhyzgAY
    • 日本人が潜在的に持つエロ・豊かなイマジネーションと大根を融合。「大根を撫でると艶かしく喘ぐ」デバイス[4][21]
    • 企画・ディレクション[4][21]
  • 『脳波で祈祷する神社』 (2012年)[4]
    • webの銀河を宇宙塵のように浮遊する人間の思念、欲望、煩悩をテクノロジーの力で供養する神社。巫女となりインスタント寺院で脳波による祈祷をすることができる[4]
    • 企画,ディレクション[4]
    • 【受賞】「MOT ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト [ 公募展 ] メディア・パフォーマンス部門準グランプリ」[4]
  • 『妄想と現実を代替するシステムSR×SI』 (2013年)[4]  ※ https://youtube.com/LuDDbckUO4Y
  • 『デジタルシャーマン・プロジェクト』 (2015年)[3][4][8]  ※ https://youtube.com/re9lVhQizBc
    • 新しい弔いの形。家庭用ロボット「Pepper(ペッパー)」に故人の人格、3Dプリントした顔、口癖、仕草を憑依。死後49日を過ぎると自動消滅する[3][4][8]
    • 企画,ディレクション、モデル[3][4][8]
  • 『都市のナマハゲ』 (2017年)[4][22]  ※ https://youtube.com/O5zvKmsMKv8

主なイベント企画

  • 仮想通貨奉納祭[23]

出演

テレビ

海外

  • 『SPECULUM ARTIUM: O POVEZOVANJU MOŽGANOV IN RAČUNALNIKA』(スロベニア国営放送「RTV4」)  ※ https://4d.rtvslo.si/174646836
  • 『Le vrai visage des robots』(フランス放送局「ARTE TV」)  ※ https://www.arte.tv/videos/084884
  • 『toco toco tv』(フランス放送局「Nolife」)

ラジオ

  • すっぴん!』(NHK
  • 『未来授業~明日の日本人たちへ』(TOKYO FM[28]
  • 『TIME LINE』(TOKYO FM)
  • 『TOKYO MORNING RADIO』(J-WAVE
  • 『GOOD NEIGHBORS』(J-WAVE)

インターネット放送

雑誌

新聞

評価員

  • 学生CGコンテスト・アート部門[32]
  • Music Hackathon・VR特集
  • Mashup Awards・インタラクティブ部門
  • Space Hackathon

脚注・出典

  1. ^ 落合陽一; 市原えつこ(インタビュー)「“現代の魔法使い”落合陽一ד妄想インベンター”市原えつこ「メディアアートは妄想とフェティシズムからドリルしていく」」『週プレNEWS』、2018年1月2日。https://wpb.shueisha.co.jp/news/technology/2018/01/02/96959/2021年9月7日閲覧 
  2. ^ 【英字】TOKYO CUTTING EDGE CREATORS by Julie Watai #3 : Think About Where Humanity Meets Technology with Etsuko Ichihara
  3. ^ a b c d e f g h 【Forbes JAPAN】メディアアーティスト 市原えつこ「女子高生がカフェで弔いを語り合う」#Forbes2050
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak 【FIGARO japon】女性アーティストたちの、美しき挑戦。 #03「市原えつこが提案、新しい弔いの形はメディアアート!?」
  5. ^ a b 【ご報告】ヤフー株式会社を退職して、フリーランスになります
  6. ^ “第20回文化庁メディア芸術祭受賞作品一覧(アーカイブ)”. 文化庁メディア芸術祭総合ウェブサイト. http://archive.j-mediaarts.jp/festival/2017/ 2018年2月16日閲覧。 
  7. ^ 祖母の死がきっかけで生まれた「デジタルシャーマン・プロジェクト」
  8. ^ a b c d 【サイエンスニュース】Pepperがイタコに。意外な使い方に込められた壮大な構想とは
  9. ^ 【毎日新聞】生々しさとユーモアと メディアアーティスト・市原えつこ(30)
  10. ^ a b 2025大阪・関西万博日本館 基本構想策定クリエイター就任
  11. ^ 出展アーティスト | 六本木クロッシング2022展:往来オーライ!
  12. ^ 森美術館「六本木クロッシング2022」で新作発表
  13. ^ a b c 【市原えつこ特集】大学コンプレックスを昇華させたのは、意外なきっかけだった
  14. ^ a b 【早稲田ウィークリー】市原えつこインタビュー「“クサいもののフタ”を開けるアート」
  15. ^ 学び直して、未来の飯の種を得る。34歳で大学院入学したアーティスト・市原えつこさんに聞く、仕事と学びの両立法
  16. ^ 妄想と現実を代替するシステムSR×SI
  17. ^ a b c デジタルシャーマン・プロジェクト
  18. ^ TOMMY HILFIGERの “TOKYO ICONS”に選出
  19. ^ a b c d e 【受賞者インタビュー】「文化庁メディア芸術祭」での受賞をきっかけにネットワークが広がった ー 市原えつこインタビュー
  20. ^ 2021年に注目すべきキーパーソンを選出 ニッポンを変える100人・アート部門選出
  21. ^ a b c 【英字】A Woman Sexually Harassing a… Japanese Radish
  22. ^ a b c 【電通報】市原えつこ氏とイノラボがナマハゲをリデザイン
  23. ^ メディアアーティスト市原えつこが語る「仮想通貨奉納祭ができるまで」
  24. ^ “【5日間連続公開】クリエイター、僧侶、研究者が語る「人工知能の現在と未来」”. 日本テレビ. (2015年11月27日). http://www.sensors.jp/post/salon0.html 2018年2月16日閲覧。 
  25. ^ “人気のアートバラエティ『アーホ!』に喘ぐ大根や体毛アートが登場!?”. Tokyo Art Beat. (2014年5月7日). http://www.tokyoartbeat.com/tablog/entries.ja/2014/05/a-ho6.html 2018年2月16日閲覧。 
  26. ^ “ジャニーズWEST・重岡が大根を触っただけで悩ましい喘ぎ声!? 初めて味わう不思議体験に仰天『ナミノリ!ジェニー』”. music.jp. (2017年2月17日). https://music-book.jp/video/news/news/135607 2018年2月16日閲覧。 
  27. ^ 新しい弔いの形をアイデアにした市原えつこさんを紹介します。
  28. ^ “未来授業 第1回 市原えつこ Vol. 1282”. TOKYO FM. (2017年9月4日). http://www.tfm.co.jp/podcasts/future/detail.php?id=23131 2018年2月16日閲覧。 
  29. ^ 記念番組「ICCとメディア・アートの20年」出演:市原えつこ
  30. ^ 【仏字】Au Japon, les radis chantent d'amour
  31. ^ a b フランス現地新聞20minutesやLes Inrockuptibles等に掲載
  32. ^ 学生CGコンテスト アート部門評価員に着任

関連事項

外部リンク

  • 市原えつこ 公式サイト/Etsuko Ichihara Official
  • 市原えつこ (@etsuko_ichihara) - X(旧Twitter)
  • 市原えつこ (@etsuko_ichihara) - Instagram
  • 市原えつこ (kaori.ichihara.773) - Facebook
  • 市原えつこ - YouTubeチャンネル
  • 市原えつこ - ブログ
  • 市原えつこ - note
  • 【旧】市原えつこ 公式サイト(~2017年)