奴隷を解放する聖マルコ (ティントレット)

『奴隷を解放する聖マルコ』
作者ティントレット
製作年1548年
寸法416 cm × 544 cm (164 in × 214 in)
所蔵アカデミア美術館 (ヴェネツィア)、ヴェネツィア

奴隷を解放する聖マルコ』(どれいをかいほうするせいマルコ、伊: San Marco libera uno schiavo)、 または『聖マルコの奇跡』(せいマルコのきせき、伊: Il miracolo dello schiavo)は、イタリアのルネサンスヴェネツィア派の画家ティントレットによる1548年制作の絵画である。現在ヴェネツィアのアカデミア美術館に所蔵されている。本来、ヴェネツィア市内の友愛会である聖マルコ同心会 (Scuola Grande di San Marco) のために依頼された。

絵画は、ヤコブス・デ・ウォラギネの黄金伝説からヴェネツィアの守護聖人、聖マルコの生涯のエピソードを描いている。画面の上部には、聖マルコの遺物を崇拝したために殉教しようとしている奴隷を救うために、聖マルコが介入しようとしているところが表されている。すべての人物は、建築的な構図の中に取り込まれている。

ティントレット芸術へのさまざまな影響が絵画中に見いだされる。人体表現はミケランジェロ的であるが、鮮やかで強烈な色彩はヴェネツィア派に典型的なものである。

作品は、全体として東方風の雰囲気を有している。光源は、前方、聖マルコの後光、そして後方の三か所に設定されている。中央やや左寄りの赤いターバンを巻いたトルコ人の隣にいる髭を生やした男は、ティントレットの自画像であるのかもしれない。

映像外部リンク
Tintoretto, The Miracle of the Slave, 7:02, Smarthistory[1]

脚注

  1. ^ “Tintoretto, The Miracle of the Slave”. Smarthistory at Khan Academy. October 10, 2014閲覧。

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • Michael Levey 、Tintoretto と奇跡の介入のテーマ、 Journal of the Royal Society of Arts 、1965年
宗教画
  • 聖母子と諸聖人』(1545年-1546年頃)
  • 『アハシェロス王の前のエステル』(1546年-1547年頃)
  • 『奴隷を解放する聖マルコ』 (1548年頃)
  • 『弟子の足を洗うキリスト』 (1548年頃-1549年頃)
  • 動物の創造』 (1550年-1553年)
  • 『誘惑されるアダムとイヴ』 (1550年-1553年)
  • 『アベルの殺害』 (1550年-1553年)
  • 『聖母の神殿奉献』 (1550年-1553年)
  • 『キリストの神殿奉献』 (1554年-1555年頃)
  • 『聖ゲオルギウスと竜』 (1555年頃)
  • 『洗礼者聖ヨハネの誕生』 (1555年頃)
  • 『ヨセフとポティファルの妻』 (1555年頃)
  • 『最後の審判』 (1560年-1562年の間)
  • 『黄金の子牛の礼拝』 (1563年)
  • 聖ロクスの栄光』(1564年)
  • 『磔刑』(1565年)
  • 聖マルコの遺骸の運搬』 (1562年-1566年)
  • 聖マルコの遺骸の発見』 (1562年-1566年)
  • 『岩から水を湧き出させるモーセ』(1577年)
  • 『マナの収集』(1577年)
  • ガリラヤ湖のキリスト』(1570年代)
  • 『キリストの洗礼』(1580年頃)
  • 『受胎告知』 (1583年-1587年)
  • 『天国』 (1588年-1592年)
  • 『最後の晩餐』 (1592-1594年)
世俗画
肖像画
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