古マタラム王国

古マタラム王国
訶陵王国
スンダ王国
717年 - 929年 クディリ王国
古マタラム王国の位置
古マタラム王国の勢力圏
公用語 古マレー語、サンスクリット語
首都 不明
717年 - 746年 サンジャヤ(英語版)
898年 - 910年バリトゥン(英語版)
910年 - 919年ダクサ(インドネシア語版)
919年 - 924年トゥロドン(英語版)
924年 - 929年ラカイ・ワワ(インドネシア語版)
変遷
サンジャヤの即位 717年
東部ジャワに移転(クディリ王国929年
インドネシアの歴史
初期王国
クタイ王国 (4世紀末-5世紀初め頃)
タルマヌガラ王国 (358-723)
スンダ王国(英語版) (669-1579)
シュリーヴィジャヤ王国 (7世紀–14世紀)
シャイレーンドラ朝 (8世紀–9世紀)
古マタラム王国 (752–1045)
クディリ王国 (1045–1221)
シンガサリ王国 (1222–1292)
サムドラ・パサイ王国 (1267-1521)
マジャパヒト王国 (1293–1500)
イスラーム王朝の勃興
マラッカ王国 (1400–1511)
ドゥマク王国 (1475–1518)
アチェ王国 (1496–1903)
バンテン王国 (1526–1813)
パジャン王国(英語版) (1568年-1586)
マタラム王国 (1500年代-1700年代)
ヨーロッパ植民地主義
オランダ東インド会社 (1602–1800)
オランダ領東インド (1800–1942)
インドネシアの形成
日本占領下 (1942–1945)
独立戦争 (1945–1950)
オランダ・インドネシア円卓会議 (1949)
インドネシアの独立
9月30日事件 (1965–1966)

古マタラム王国(こマタラムおうこく、Kerajaan Mataram (Hindu);717年 - 929年)は、インドネシアジャワ島ジョグジャカルタ周辺に8-9世紀に繁栄したヒンドゥー王国。

16世紀以降の「マタラム王国」(イスラム・マタラム又は(新)マタラム王国)と区別するため、「古」をつける場合が多いが、当時の自称は、「マタラム(王)国」であった。

概要

チャンガル碑文(英語版)の日付をサンジャヤ紀元と呼ばれる紀年法で計算すると、サンジャヤ(英語版)王が717年に即位したとされる。プラサスティ碑文(英語版)にもサンジャヤ王が描かれている。王位は、サンジャヤ王を含めて14代にわたって受け継がれてきたことが最近の碑文研究からも判明している。11代目のバリトゥン(英語版)王(在位898年 - 910年)のときに壮大なヒンドゥー寺院チャンディ・ロロ・ジョグランチャンディ・プランバナン)が建設されたことで知られる。ブランバナンは、次のダクサ(インドネシア語版)王(在位910年 - 919年)のときに完成した。1991年には、世界遺産に登録された。なお、プランバナンの南方2kmにあるラトゥボコという小高い丘の遺跡が778年に建設された古マタラム王国のクラトン(王宮)と考えられている。

イサナ家のシンドク(英語版)王(在位929年 - 947年)のとき、東部ジャワに移転し、以後をクディリ王国と呼ぶ。移転の原因はよく分かっていないが、地震か伝染病か何かの災害であると推定され、ひとつの有力な説として、1006年ムラピ火山の大爆発前後の地震・津波・爆発があり、飢饉、疫病がひろがったために、住民が逃亡し、移転せざるを得なかったのではと考えられている。

古マタラム王国は、歴史上インドネシアにおけるヒンドゥー諸王朝の始祖的な王朝として位置づけることができ、ヒンドゥー的色彩の強い宮廷舞踊は、現在にまで受け継がれて残されている。

歴代王

碑文から以下の王名が知られる[1]。括弧内は在位年。

  • サンジャヤ(英語版)(717年 - 746年)
  • ラカイ・パナンカラン(英語版)(760年 - 775年)
  • ラカイ・パヌンガラン(インドネシア語版)(775年 - 800年)
  • ラカイ・ワラック(800年頃 - 819年以前)
  • ラカイ・ガルン
  • ラカイ・ピカタン(英語版) - シャイレーンドラ朝サマラトゥンガの娘プラモーダヴァルダニーと結婚し、シャイレーンドラ朝の王となる。
  • ラカイ・カユワンギ(インドネシア語版)(ロカパラ)
  • ラカイ・ワトゥフマラン(インドネシア語版)
  • バリトゥン(英語版)(898年 - 910年)
  • ダクサ(インドネシア語版)(910年 - 919年)
  • トゥロドン(英語版)(919年 - 924年)
  • ラカイ・ワワ(インドネシア語版)(924年 - 929年)

脚注

  1. ^ バドリカ、p. 36

参考文献

  • イ・ワヤン・バドリカ 『世界の教科書シリーズ20 インドネシアの歴史』 明石書店、2008年

関連項目

外部リンク

  • マタラム王国(サンジャヤ朝)