南山大学短期大学部

南山大学短期大学部[注 1]
大学設置 1968年
創立 1932年
廃止 2020年
学校種別 私立
設置者 学校法人南山学園
本部所在地 愛知県名古屋市昭和区山里町18[注釈 1]
学部 英語科[注 2]
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南山大学短期大学部[注 1](なんざんだいがくたんきだいがくぶ、英語: Nanzan Junior College[注釈 2])は、愛知県名古屋市昭和区山里町18[注釈 1]に本部を置いていた日本私立大学である。1968年に設置され、2020年に廃止された。大学の略称は南短。

概観

大学全体

建学の精神(校訓・理念・学是)

  • 南山短期大学の教育モットーは「人間の尊厳のために」となっている。それに基づいて以下にあげる4つの教育目標がある。
  • 全人性:知の探究と実現。
  • 宗教性:キリスト教精神による教育。
  • 地域性:地域社会との深い結びつき。
  • 国際性:自己を知る国際人になること。
  • 基督教精神に基づく「人間の尊厳」の深い理解と人間愛の実践が教育理念となっている。

教育および研究

  • 南山短期大学に設置されている学科は、現在英語科のみとなっている。「オーラルコミュニケーション」・「英文法」・「ライティング」・「リスニング」などの基礎科目のほか、「コミュニケーション論」や「スピーチとディベート」などの表現演習系列科目、「比較文化」や「イギリス文化研究」などの文化理解系列科目、「国際協力論」や「国際関係論」などの国際協力系列科目、「早期英語教育」や「英語教育実践論」などの英語教育系列科目がある。英語をベースとして語学文化歴史などをまんべんなく学ぶという意味合いが込められていることがうかがえる。日本語禁止の授業もある。また、留学プログラムにも力を入れている。
  • このほか、「キリスト教学」と題した科目を学ぶことが義務付けられている。
  • 過去にあった人間関係科は、自らの体験から学ぶ体験学習により現実の人間関係に即応しうる人間関係能力を高める人材育成をねらいとして設置されたものとなっていた。当名称の学科が設置された短期大学は全国でもはじめてのものとなっていた。1980年4月より養護学校などでのフィールドワークが導入されていた。卒業者総数は2,839人となっている。

学風および特色

  • 少人数教育を重視しており、学生の出席状況には厳しくチェックがなされていた。課外授業では、「クリスマス聖式」や「国際協力講演会」などが開講されている。
  • 『プレジデント』誌に掲載された上場企業の「女性社長・役員になりやすい大学ベスト30」に本学の短期大学部が全国にある大学のなかでベスト30位以内中、20位に入っており、短期大学としては1位にランキングされている。

沿革

昭和区隼人町にあった南山短期大学(2011年)
  • 1968年
    • 2月3日 左記を以て文部省[注 3]より短期大学の設置が認可される。[5][6]
    • 4月1日 南山短期大学が以下の学科体制にて開学[注 4]
      • 英語科 入学定員100名[注 5]
    • 5月1日 学生数[10]/定員
      • 英語科 135[注釈 4]/100
  • 1971年
    • 4月1日 英語科の入学定員を100→150に増員[注 6]
    • 5月1日 学生数[15]/定員
      • 英語科 353[注釈 4]/250
  • 1973年
    • 4月1日 以下の学科を増設する[16]
      • 人間関係科 入学定員100名[注 7]
    • 5月1日 学生数[18]/定員
      • 英語科 505[注釈 4]/300
      • 人間関係科 96[注釈 4]/100
  • 1976年
    • 4月1日 英語科の入学定員を150→200に増員[注 8]
    • 5月1日 学生数[22]/定員
      • 英語科 538[注釈 4]/350
      • 人間関係科 232[注釈 4]/200
  • 1985年
    • 5月1日 学生数[23]/定員
      • 英語科 495[注釈 4]/400
      • 人間関係科 204[注釈 4]/200
  • 1986年
    • 5月1日 学生数[24]/定員
      • 英語科 483[注釈 4]/400
      • 人間関係科 217[注釈 4]/200
  • 1987年
    • 5月1日 学生数[25]/定員
      • 英語科 503[注釈 4]/400
      • 人間関係科 209[注釈 4]/200
  • 1992年
    • 5月1日 学生数[注 9]/定員
      • 英語科 527[注釈 4]/400
      • 人間関係科 201[注釈 4]/200
  • 1999年
    • 4月1日 以下の学科については、この年度で学生募集を最終とする[注 10]
    • 5月1日 学生数[30]/定員
      • 英語科 511[注釈 4]/400
      • 人間関係科 216[注釈 4]/200
  • 2001年
    • 5月29日 以下の学科・専攻については左記をもって正式に廃止とする[31]
      • 人間関係科
  • 2005年
    • 4月1日 英語科の入学定員を200→250に増員[32]
  • 2011年
    • 4月1日 以下変更点を列挙する[33]
      • 南山短期大学→南山大学短期大学部[注 11]
      • 英語科の入学定員を250→150に減員。
  • 2014年
    • 1月 平成26年度大学入試センター試験参加短期大学の1校となる[34]
  • 2015年
    • 1月 平成27年度大学入試センター試験参加短期大学の1校となる[35]
  • 2016年
    • 1月 平成28年度大学入試センター試験参加短期大学の1校となる[36]。 
    • 4月1日 この年度で短期大学としての学生募集を最終とする[注釈 3]
  • 2020年
    • 10月23日 左記をもって文部科学省より正式に廃止の認可を受ける[4]

基礎データ

所在地

  • 愛知県名古屋市昭和区山里町18[注釈 1]

象徴

  • カレッジマークは、丸地で上部に聖書の絵と「Nanzan Junior College」という文字が描かれたものとなっている[注 12]

教育および研究

組織

学科

  • 英語科 入学定員150名[注 13]
  • 人間関係科 入学定員100名[注 14]

専攻科

  • なし

別科

  • なし

取得資格について

  • 中学校教諭二種免許状(英語)が設置されていた[43]。年によって多少の変動はあるものの毎年およそ30名程度が取得していた。

附属機関

  • 南山短期大学図書館:所蔵数は69,500冊となっている。

研究

  • 『南山短期大学紀要』[注釈 2]

学生生活

主たるイベント

  • 入学式:隣接する南山教会で執り行われる。パイプオルガンや同学ハンドベル部による演奏も行われる。
  • オーラルインタープリテーションフェスティバル1980年頃から続いている伝統的行事の一つ。「朗読会」とも。英語のほかにスペイン語・ドイツ語フランス語などの発表も行なわれる。年に2回行われる。
  • 高校生オーラルインタープリテーションフェスティバル:参加者を高校生に限定したもの。優秀者は12月の回でも発表の場が設けられる。
  • チャリティーコンサート:南山教会大聖堂で行われる、ハンドベル部やヴォックスアンジェリカ部によるコンサート。入場券代はフィリピンのストレートチルドレン支援などに使われる。
  • 卒業式:入学式同様、南山教会で執り行われる。

部活動・クラブ活動・サークル活動

南山短期大学には、正式に公認されているクラブ活動として以下のものがある。

学園祭

  • 南山大学短期大学部の学園祭は短大の略称からとって「南短祭」と呼ばれ、毎年概ね10月に行われている。学生会による様々な催し物のほか、各クラス・サークルによる催しが2日間に渡って行われる。催し物のひとつに純白のドレスを格安で着て写真撮影できるものなどがある。

大学関係者と組織

大学関係者組織

  • 卒業生の会として「南翔会」がある。

大学関係者一覧

教職員
出身者

施設

キャンパス

対外関係

系列校

注釈

注釈グループ

  1. ^ a b 南山大学国際教養学部現在地。
  2. ^ a b 出典[44]
  3. ^ a b 南山大学へ統合のため平成29年度より学生募集停止[1][2][3]
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p のみ

補足

  1. ^ 南山短期大学
  2. ^ ほか学科も参照のこと。
  3. ^ 現在の文部科学省
  4. ^ 出典[7][8]
  5. ^ 右記資料も参照のこと[9]
  6. ^ 出典[11][12]昨年度の資料[13]及び本年度のそれ[14]も其々参照のこと。
  7. ^ 右記資料も参照のこと[17]
  8. ^ 出典[19]。。昨年度の資料[20]及び本年度のそれ[21]も其々参照のこと。
  9. ^ 出典[26]。うち1回生 369[27]
  10. ^ 平成12年度より学生募集停止[28][29]
  11. ^ 南山大学名古屋キャンパス内に移転する。
  12. ^ 出典 [37][38]
  13. ^ 最終募集となった2016年における体制[39]
  14. ^ 最終募集となった1999年における体制[40][41][42]

出典

  1. ^ a b 地域科学研究会'2017.
  2. ^ 南山大、17年度から短大部など学生募集停止産経新聞
  3. ^ 南山大学、短期大学部の募集2017年度以降停止へ - クリスチャントゥデイ、2019年2月15日閲覧。
  4. ^ a b 文部科学省'2021.1.5, p. 1.
  5. ^ 日本大学大鑑 1977年版より。
  6. ^ 学校法人名簿 昭和58年版より。
  7. ^ 文部省学術局'1968.
  8. ^ 短期大学一覧 昭和44年度 (短期大学資料)より。
  9. ^ 短期大学教育 (24)より。
  10. ^ 文部省'68, p. 39.
  11. ^ 大学資料 (39)より。
  12. ^ 短期大学一覧 昭和46年度 (短期大学資料)より。
  13. ^ 短期大学教育 (28)より。
  14. ^ 短期大学教育 (29)より。
  15. ^ 文部省'71, p. 40.
  16. ^ 短期大学一覧 昭和48年度 (短期大学資料)より。
  17. ^ 短期大学教育 (31)より。
  18. ^ 文部省'73, p. 43.
  19. ^ 文部省大学局技術教育課'1976.
  20. ^ 短期大学教育 (33)より。
  21. ^ 短期大学教育 (34)より。
  22. ^ 文部省'76, p. 47.
  23. ^ 文部省'85, p. 61.
  24. ^ 文部省'86, p. 61.
  25. ^ 文部省'87, p. 62.
  26. ^ 文部省'92, p. 70.
  27. ^ 旺文社'1992.9, p. 334.
  28. ^ 文教協会'2000.
  29. ^ 南山大学 人間関係研究センターのミッション
  30. ^ 文部省'99, p. 73.
  31. ^ 文教協会'2002.
  32. ^ 文教協会'2005.
  33. ^ 文教協会'2011, p. 117.
  34. ^ 大学入試センター'2013, p. 27.
  35. ^ 大学入試センター'2014, p. 29.
  36. ^ 大学入試センター'2015, p. 29.
  37. ^ 日本私立短期大学協会短期大学広報委員会'1980, p. 125.
  38. ^ 日本私立短期大学協会'2010.10.
  39. ^ 文教協会'2016, p. 116.
  40. ^ 文教協会'1999.
  41. ^ 晶文社'1999.
  42. ^ 梧桐書院'1999.4.
  43. ^ 晶文社'05.
  44. ^ 南山短期大学紀要より。

参考文献

全国学校総覧

  • 文部省調査局統計課『全国学校総覧 昭和44年版』東京教育研究所。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I14111100138664 
  • 文部省『全国学校総覧 昭和47年版』東京教育研究所。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I14111100138672 
  • 文部省『全国学校総覧 昭和49年版』東京教育研究所。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I14111100138678 
  • 文部省『全国学校総覧 昭和52年版』原書房。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I028943016 
  • 文部省『全国学校総覧 昭和61年版』原書房。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I31111100707694 
  • 文部省『全国学校総覧 昭和62年版』原書房。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I42111007010018625  
  • 文部省『全国学校総覧 昭和63年版』原書房。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I01111009510250221 
  • 文部省『全国学校総覧 1993年版』原書房。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I14111100409254 
  • 文部省『全国学校総覧 2000年版』原書房。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I19111009910059455  

全国短期大学高等専門学校一覧

  • 文部省『短期大学一覧 昭和43年度』文部省大学学術局技術教育課。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I38111100429418 
  • 文部省『短期大学一覧 昭和51年度 (短期大学資料)』文部省大学局技術教育課。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001320858 
  • 短大・高専教育研究会監修『全国短期大学・高等専門学校一覧 平成11年度』文教協会。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000048743-i7432878 
  • 短大・高専教育研究会監修『全国短期大学・高等専門学校一覧 平成12年度』文教協会。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000048743-i7432908  
  • 短大・高専教育研究会監修『全国短期大学・高等専門学校一覧 平成14年度』文教協会。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000048743-i7432426  
  • 文部科学省『全国短期大学・高等専門学校一覧 平成17年度』文教協会。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000048743-i7432638  
  • 文部科学省『全国短期大学高等専門学校一覧 平成23年度』文教協会。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I03111707859  
  • 文部科学省『全国短期大学高等専門学校一覧 平成28年度』文教協会。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000048743-i7433302  

全国短期大学一覧

  • 文部科学省『全国短期大学一覧 平成29年度』地域科学研究会 高等教育情報センター。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000136-I1130282271696784896 

日本の私立短期大学

  • 日本私立短期大学協会短期大学広報委員会『日本の私立短期大学』日本私立短期大学協会短期大学広報委員会。https://dl.ndl.go.jp/pid/12241382/1/125 
  • 短期大学広報委員会, 日本私立短期大学協会記念誌編纂委員会/編『日本の私立短期大学 平成22年』日本私立短期大学協会短期大学広報委員会。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I023747155 

文部科学省

  • 文部科学省『令和2年度廃止大学等一覧』(PDF)文部科学省。https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/secchi/20210105-mxt_kouhou02-1.pdf 

短期大学受験案内(晶文社)

  • 晶文社出版編集部 編『全国短期大学受験案内 2000年度用』晶文社出版。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002780538-00 
  • 晶文社出版編集部『短期大学受験案内 2006年度用』晶文社出版。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I0311987850 

短期大学案内(梧桐書院)

  • 梧桐書院編集部『全国短期大学案内. 2000年版』梧桐書院。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002780404 

蛍雪時代

  • 旺文社編集『全国短大&専修・各種学校受験年鑑'93年(短大蛍雪 1992年9月臨時増刊号)』旺文社。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I27210000272973 

大学入試センター

外部リンク

  • 南山大学短期大学部公式サイト
学校法人南山学園
設置校
大学
中学校・高等学校
小学校
幼稚園
  • 聖園女学院附属聖園幼稚園
  • 聖園女学院附属聖園マリア幼稚園
関連校
学校法人聖霊学園
学校法人長崎南山学園
学校法人長崎南山第二学園
姉妹校
学校法人上智学院
廃止校
中学校・高等学校
短期大学部
  • 南山大学短期大学部
短期大学
旧関連法人

学校法人聖園学院

関連機関
関連項目
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