トイ・マンチェスター・テリア

トイ・マンチェスター・テリア
トイ・マンチェスター・テリア
別名 イングリッシュ・ブラック・アンド・タン・トイ・テリア(English Black and Tan Toy Terrier)
原産地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
特徴
主要畜犬団体による分類と標準
AKC Toy 標準
ANKC Toy Group 標準
UKC Terrier Group 標準
イヌ (Canis lupus familiaris)

トイ・マンチェスター・テリア(英:Toy Manchester Terrier)とは、イギリスイングランド原産のテリア犬種である。マンチェスター・テリアの小型版で、別名はイングリッシュ・ブラック・アンド・タン・トイ・テリア(英:English Black and Tan Toy Terrier)。

歴史

19世紀にマンチェスター・テリアを小型化して作られた。ただ単に小型化しただけでなく、耳が立ち、より俊足になるように改良が行われた。作出目的はただ愛玩犬として飼育するためではなく、ギャンブル絡みのネズミ殺しゲームに使うための大穴として使うためであった。ひ弱に見せつつも狩猟能力は高く、マンチェスター・テリアに負け劣らない記録を打ち立てて徐々に人気を得ていった。有名なものは3時間で300匹のネズミを殺した体重2kgのタイニー号や、100匹のネズミを13秒6で全滅させたビリー号などがいる。

ネズミ殺しゲームの衰退後はネズミも狩れる愛玩犬として人気を博すのだが、ブーム時に行われた乱繁殖と極端な小型化・体重制限により健康に害が出始め、19世紀後半には人気が落ち絶滅の危機に瀕した。その後愛好家によって体高・体重の制限が緩和され、安定した犬質の確保が行われて再び人気を取り戻す事に成功した。戦後は諸外国にも輸出されてブリーディングが行われ、各地でもペットとして人気の犬種となっていった。日本国内でもブリーディングが行われていて、15~25万円程度の値段で販売も行われている。日本でも密かな人気があり、2009年度の国内登録頭数順位は136位中59位とかなり高順位であった。

特徴

マンチェスター・テリアと同じく引き締まった流線型のボディで、マズル・首・脚・胴・尾が長い。但し、耳の形はそれとは異なり、ろうそく耳(ろうそくの炎のような耳形)で直立している。尾はサーベル形の垂れ尾で、飾り毛はない。コートはなめらかなスムースコートで、毛色はブラック・アンド・タンかブラック・アンド・マホガニー。体高25~30cm、体重2.7~3.6kgの小型犬で、性格は好奇心旺盛で明るくやさしい。マンチェスター・テリアほどではないが狩猟本能も残されているため、ネズミなどを見せないように注意すべきである。運動量はやや少なめで、初心者にも飼育しやすい犬種である。

参考

  • 『犬のカタログ2004』(学研)中島眞理 監督・写真
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2007』(辰巳出版)佐草一優監修
  • 『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2009』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著

関連項目