アリランの歌
この項目では、1941年の書籍について説明しています。民謡については「アリラン」をご覧ください。 |
アリランの歌(アリランのうた、英語: Song of Ariran、中国語: 我離郎之歌、朝鮮語: 아리랑)は、アメリカ人ジャーナリストのヘレン・スノー(ニム・ウェールズ)によるルポルタージュである。1941年に出版された。
スノーは1930年代に中国に滞在していたが、夫エドガー・スノーの誘いで、1937年に中国共産党の当時の活動拠点だった延安に入り、日本からの独立を目指して戦う朝鮮人を取材した。本書では、1930年代の朝鮮独立運動と中国共産党運動の歴史を、金山(英語版、朝鮮語版)と名乗る朝鮮人の共産主義者(本名 張志楽、1905年 - 1938年)へのインタビューを元に記述したその半生を通して描いている[1]。
影響
1984年に韓国で、本書の韓国語訳が出版された[2]。当時の韓国では、1979年の軍事クーデターや1980年の光州事件を契機に、学生を中心とする民主化運動が過激化していた。学生や労働運動家などの社会活動家たちは、本や冊子から深い影響を受けて急進化していったが、本書の韓国語訳は、そのような1980年代の韓国における重要な教科書の一つであった。韓国語訳は1993年と2000年にペーパーバックの新版が、2005年には同じ韓国の出版社からハードカバーの新版が出版され、2010年代においても韓国の読者に読まれている[3]。